Letter 視覚:視覚運動処理過程での中心―周辺拮抗現象の知覚への表れ 2003年7月17日 Nature 424, 6946 doi: 10.1038/nature01800 中心―周辺の受容野構成は、哺乳類の視覚系に広く見られる性質で、おそらく空間中で非一様に分布する像の特徴を抽出するために形成されたと思われる。このことは、視覚運動の際、大脳皮質視覚野の多数の運動方向選択性ニューロンで受容野の中心域と周辺域の拮抗として明らかになる。一連の心理物理学的実験で、高いコントラストをもった動くパターンのサイズを大きくすると、動きの方向の知覚が困難になり、適応刺激としての効率が下がるという、直感に反する観察結果がえられた。これは、おそらく中央側頭視覚野のニューロン集団内で起こっていると考えられる中心周辺拮抗作用が、知覚として表出されたものと考えられる。高コントラストで見られた動き信号の空間拮抗は、コントラストを下げていくと空間加算に変わっていく。空間全体にわたる動き信号の総和はその信号の見えやすさに決定的に依存し、視覚系が動き情報を効率的・適応的に記録することを可能にしている。 Full Text PDF 目次へ戻る