Letter 化学:「分子定規」による液−液界面にまたがる双極子極間距離の測定 2003年7月17日 Nature 424, 6946 doi: 10.1038/nature01791 不混和性の液−液界面にまたがる物理的特性がどのようにして水性境界から有機性境界まで収束するのかについて、これまで動的分子シミュレーションに基づく説明がなされてきた。しかし埋もれた界面を綿密に調査するのは困難であるため、これらの予測はほとんど検証されなかった。X線および中性子散乱実験によって、これらの液―液界面における分子構造の詳細な実態が明らかとなった。しかしそのような散乱研究では、界面に変化が見られる溶媒構造がどのようにして界面溶媒和特性に影響を及ぼすのかについて精査できない。界面を介する溶媒特性によって界面の溶質濃度および反応性が調整されることを考えると、界面溶媒和に特有の寸法を特定することは、溶液相界面化学の予測モデルの構築に不可欠である。今回我々は、特別に合成した「分子定規」として働くソルバトクロミック界面活性剤、および共鳴増強第二高調波発生を利用して、弱く会合した液−液界面と強く会合した液-液界面の双極子極間距離(dipolar width)を測定した。双極子極間距離は誘電性環境がある相から別の相に変化するために必要な距離を表している。我々の結果は、極性が水−シクロヘキサン界面を横切ってサブナノメートル長さのスケールで非極性境界へと収束することを示している。しかし強く会合している水−1-オクタノール界面にまたがる極性は、非極性アルカン様領域が支配的である。これらのデータは、液体が連続体であるという説を用いて界面溶媒和を特性付けることに疑問を投げかけており、バルク溶液境界から界面環境が非加算的に変化しうることを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る