Letter 工学:単一電子トランジスターを用いたナノメートルスケール変位の計測 2003年7月17日 Nature 424, 6946 doi: 10.1038/nature01773 量子力学的効果を巨視的な機械的振動子で検出することは長年の目標である。振動子の位置測定は究極的には量子力学によって制限され、量子基底状態における「ゼロ点運動」ゆらぎの不確定性関係から、変位の平均測定値の下限が決まる。この限界に迫れる、機械的共鳴器を組み込んだ位置変換器が発達すれば、非常に弱い力の検出において、磁気共鳴力顕微鏡やその他のさまざまな精密実験といった重要な応用が開ける。量子限界に近い感度を実現しうる1つの方法は、変位センサーに単一電子トランジスター(SET)を用いることだ。低温におけるSETの優秀な電荷感受性を利用すると、運動を機械的共鳴器に容量結合することで運動を測定できる。今回我々は、そのような装置を実験で実現し、温度30 mKで116 MHzの機械的振動子について2×10-15mHz-1/2という抜群の変位感度を達成した。この感度は、この振動子の量子限界のほぼ100倍である。 Full Text PDF 目次へ戻る