Letter

材料:ナノサイズ炭窒化物の分散を用いた鋼の高温クリープ強化

Nature 424, 6946 doi: 10.1038/nature01740

クリープは降伏応力以下の低応力で起こる時間依存の塑性変形であり、様々な材料で起こる。金属や合金は、母相全体に均一に微細粒子を分散させる分散強化により、高温でのクリープに耐えるよう設計できる。例えば、フェライト系耐熱鋼はイットリウム酸化物のナノサイズ粒子を分散させることで、(923Kにおける)最大クリープ強度を達成している。しかしながら、この酸化物粒子は複雑なメカニカルアロイング法によって導入されるため、結果として大型構造物の製造には経済的に適していない。今回我々は、従来からある製造技術を用いてナノメートルスケールの炭窒化物を分散した9%Crマルテンサイト鋼の製造について報告する。我々の分散強化材料は現時点で最強のクリープ強度をもつ鋼と比較して923Kで2桁大きいクリープ寿命を示す。このクリープ強度向上は熱的に安定な炭窒化物によるバウンダリーのピン止め機構によるものである。また、この材料は十分な破壊靭性を持つ。我々の結果は、高性能耐熱鋼の開発と高温で使用される大型構造物を経済的に製造する道をひらくだろう。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度