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聴覚:一次聴覚野の方向選択性の地理的分布とシナプスによる成形

Nature 424, 6945 doi: 10.1038/nature01796

動物やヒトのコミュニケーションでは、振動数変調(FM)の掃引方向は、重要な時間的手がかりを与える。FM方向選択的ニューロンは一次聴覚野(A1)に存在するが、その地理的分布や選択性を生み出す機構についてはほとんど分かっていない。今回、ラットのA1で、方向選択が特徴振動数(CF)と平行に空間分布していることが明らかになった。すなわち、低CFニューロンは上昇方向の掃引によく応答し、高CFニューロンは下降方向の掃引によく応答する。スパイク応答でみた音受容野(TRF)の両側にある抑制領域「抑制性副振動数帯」の非対称性も、CFと連動して変化した。in vivoでの全細胞記録によれば、方向選択性はシナプス入力にすでに存在しており、それがさらに不適方向刺激によるシナプス興奮に対して適方向刺激による興奮より強く抑制をかけるような皮質のシナプス抑制によって強められる。シナプス応答でみた興奮性と抑制性のTRFは同一の同調スペクトルを示すが、抑制は興奮に比べ遅れてあらわれた。シナプス応答TRFのスペクトル非対称性も、方向選択性や副振動数帯非対称性と同じく、CFとともに変化するので、FM方向選択性の成形も空間分布の順序も、同じシナプス機構で作られていることが示唆される。

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