Letter

記憶:グルタミン酸受容体を介した対連合学習の記銘と想起

Nature 424, 6945 doi: 10.1038/nature01769

対連合学習はヒトのエピソード記憶を調べるためによく用いられる。動物モデルとしては、アメリカカケスによる食べ物の隠し場所の記憶想起、順序記憶などがある。本論文で我々は一つの動物モデルを報告する。このモデルでは、ラットは連続したサンプル試行中に二組の組み合わせ(二種類の食べ物の味とそれぞれの空間的位置)を記銘し、対の一方を手がかりにして、もう一方を偶然よりも高い確率で想起できる。第1の実験では、ある特定の食べ物とその場所の組み合わせは繰り返されることなく、「何が‐どこに」という属性の一意性が保証されるようにした。ある種の活性依存的シナプス可塑性の誘発に欠かせない海馬のN‐メチル‐d‐アスパラギン酸受容体を阻害したところ、記憶の記銘は妨げられたが、想起には影響を及ぼさなかった。a‐アミノ‐3‐ヒドロキシ‐5‐メチル‐4‐イソオキサゾールプロピオン酸(AMPA)受容体を阻害して海馬の神経活動を不活性化すると、記銘と想起の両方が妨げられた。第2の実験では、新たな二組の組み合わせを八週間に渡って繰り返し学習させた。しかしこの場合には、海馬のAMPA受容体を阻害しても想起は妨げられなかった。これらの結果から、ただ一回だけの物―場所の組み合わせは海馬の記憶領域内で記銘や想起がなされるが、何回も繰り返された組み合わせの記憶痕跡は他の場所の神経回路に固定化されると結論される。

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