Letter 細胞:細胞周期への再進入は、網膜芽細胞腫遺伝子機能の急性突然変異だけで起こり得る 2003年7月10日 Nature 424, 6945 doi: 10.1038/nature01764 癌細胞は、正常な細胞において癌遺伝子や腫瘍抑制遺伝子に一連の突然変異が起こることで生じる。ヒト癌のマウスモデルは、多くの場合、問題の遺伝子を活性化するかあるいは不活性化するかという生殖系列の変化に依存している。この手法における制限条件の1つは、生殖系列の突然変異は発生上補償されるため、体細胞突然変異以外にも影響を及ぼす可能性を持つことである。我々はヒト網膜芽細胞腫(RB)腫瘍抑制遺伝子の失活によって生じる散発性癌のモデルマウスを作出するために、マウスRb遺伝子の条件対立遺伝子を作成した。本論文では、細胞周期への進入には、初期静止細胞におけるRbの急性の欠失で十分であり、その結果としてRb機能の生殖系列欠失とは異なる表現型が得られることを示す。この相異は、Rb関連遺伝子p107による機能的補償でその一部が説明される。また、老化細胞におけるRbの急性欠失は、細胞の老化プログラムを破棄させることも明らかになった。これらの結果から、条件的ノックアウトという戦略は、遺伝子機能に関する理解を高め、ヒト癌のさらに正確なモデル作成に役立つと思われる。 Full Text PDF 目次へ戻る