Letter 細胞:JNKはパキシリンをリン酸化し細胞の移動を調節する 2003年7月10日 Nature 424, 6945 doi: 10.1038/nature01745 c-Junアミノ末端キナーゼ(JNK)は通常、炎症、増殖、アポ トーシスにかかわると考えられている。したがってJNKの基質は、転写因子と抗アポトーシスタンパク質である。しかし JNKは、ショウジョウバエの背部の閉鎖にも必要なことが明らかになっており、またJNK経路の上流にあるキナーゼで あるMAPキナーゼ/ERKキナーゼキナーゼ1が細胞移動に不可欠なことも判明している。これらの結果は共に、JNKが 細胞移動にも重要なかかわりをもつことを示している。今 回、魚類の角膜実質細胞とラットの膀胱癌上皮細胞(NBT- II)の速やかな移動に、JNKが必要なことを明らかにした。さ らにJNK1はin vitroでも細胞内でも、焦点接着にかかわるアダプター・タンパク質パキシリンのセリン178をリン酸化する。Ser178をAlaに変えた変異パキシリン(PaxS178A )を発現するNBT-II細胞は焦点接着域を形成し、単一細胞の移動 試験と創傷治癒試験の両方で、このような接着点があるために移動が制限された。これに対し、野生型パキシリンを発現する細胞は速やかに移動し、主たる接着接触が維持されたままだった。Pax S178Aの発現は、他の2種類の細胞型でも移動を阻害する。このようにJNKによるパキシリンのリン酸化は、迅速な細胞移動に必要な、適応性のある接着の保持に不可欠らしい。 Full Text PDF 目次へ戻る