Letter 遺伝:顕花植物のミトコンドリア遺伝子に広くみられる水平伝播 2003年7月10日 Nature 424, 6945 doi: 10.1038/nature01743 遺伝子の水平伝播(交配の障壁を越えて遺伝子が交換される現象)は、細菌の進化における大きな原動力であることが認められてきた。しかし真核生物では、一部の摂食性原生生物でのみ認められ、大部分は古代における細菌遺伝子の獲得に限定されている。ヒトゲノムは、細菌から脊椎動物への進化の過程で獲得した100以上の遺伝子を含むと当初考えられたが、この説には報告直後から、たびたび反証があげられている。水平伝播は、可動性遺伝因子による特殊な例を除いては、動物、植物、菌類の進化の過程で認められていない。本論文では、リボソームタンパク質および呼吸関連タンパク質をコードする標準的なミトコンドリア遺伝子が、種の関係が遠い顕花植物の間で進化的に頻繁に起こる水平伝播を受けていることを報告する。このような伝播は、遺伝子重複、核への移行過程で失われた遺伝子の再獲得、また単子葉類と双子葉類の両方に由来するキメラ遺伝子などの、ゲノム上のさまざまな変化をもたらしてきた。以上の結果は、種の関係の遠い植物間でDNAが送達される機構が存在することを意味し、水平伝播も植物の核ゲノム進化の駆動力であることを示している。また、この問題を、植物の分子系統学と遺伝子組換え植物という見地からも検討した。 Full Text PDF 目次へ戻る