Letter 視覚:メラノプシンと桿体-錐体光受容系でマウスの主な補助的視覚機能はすべて説明される 2003年7月3日 Nature 424, 6944 doi: 10.1038/nature01761 哺乳類の網膜では、従来から知られている桿体‐錐体系に加えて、メラノプシンが関わる光受容系が存在し、瞳孔反射や概日周期の光同調といった補助的視覚機能のための光情報を伝達する。通常メラノプシンを発現している網膜神経節細胞は、メラノプシン遺伝子を欠失させると本来備えていた光感受性を失う。また瞳孔反射、光が引き起こす概日時計の位相の遅れ、定常光のもとでの概日リズムの周期の延長がどれも、部分的に損なわれる。本論文では、これらの応答に他の光受容系が関与するかどうかを検討した。桿体、錐体をもたないマウスを用いて、歩行行動の概日リズムにおける位相のずれについて、作用スペクトルを測定した。このスペクトルは、同じ遺伝子型マウスの瞳孔反射のスペクトルや、メラノプシンを発現する網膜神経節細胞が本来もつ光感受性のスペクトルと一致した。また、メラノプシンをもたないうえに桿体と錐体の光伝達機構が働かなくなったマウスを作出した。このマウスは、網膜は完全だが、瞳孔反射や明/暗周期への同調は認められず、光に対するマスキング応答もまったく示さなかった。このように桿体-錐体系とメラノプシン系をあわせれば、これらの補助的視覚機能に必要な光情報がすべて供給できるらしい。 Full Text PDF 目次へ戻る