Letter 植物科学:心皮および胚珠の発生におけるMADSボックス遺伝子群の重複性の評価 2003年7月3日 Nature 424, 6944 doi: 10.1038/nature01741 植物の心皮は内部に胚珠を収め、後に種子を保護し栄養分を与えて最終的に飛散させる果実になることから植物の有性生殖に極めて重要な役割を果たす。AGAMOUS(AG)遺伝子は、雄ずいおよび心皮がag変異体植物の花では消失するので、植物の有性生殖に必要である。しかしAG活性のない一部の変異体でも、がく片が心皮様器官に変化して現れることから、AGに依存しない心皮発生経路が存在することがわかる。AGは、SHATTERPROOF1(SHP1)、SHP2、SEEDSTICK(STK)を含むMADSボックス遺伝子群の単系統クレード(分岐群)なので、これら4種の遺伝子は部分的に重複した活性をもつと考えられる。本論文では、SHP遺伝子群がAGに依存しない心皮発生を担っていることを報告する。またSSTK遺伝子が、発達中の種子と果実をつなぐ蕚帯様構造物に相当する珠柄の正常発達に、また果実が成熟して種子が飛散する際に必要なこともわかった。さらにAGクレードの全4種の遺伝子が、維管束植物の進化史的に重要な新しい構造物である胚珠の菰成に必要とされることも明らかにする。この胚珠という構造ができたことが、種子植物を陸上植物中もっとも優位なグループとすることになった。 Full Text PDF 目次へ戻る