Letter 生態:ウサギの乳フェロモンの化学的・行動学的な特徴づけ 2003年7月3日 Nature 424, 6944 doi: 10.1038/nature01739 哺乳類の進化的繁栄の一因は、雌とその子どもたちの間で情報やエネルギーや免疫が調和的にやりとりされることにある。この機能的相互関係は幼獣の生存や正常な発達にとって、また親の包括適応度にとってきわめて重要である。この相互関係が最もよく見られるのは、母親側の乳の提供と幼獣側の乳探しをめぐって起こる濃密なやりとりにおいてである。あらゆる哺乳類の雌は、産んだばかりの未経験の赤ん坊を刺激し自分の乳房へと導く行動的、感覚的手段を進化させ、またその一方で赤ん坊は、これらの働きかけに効率よく応じる手だてを共進化させてきた。乳に導くこれらの手がかりの中で、母親の匂いの関与が幾度となく示されてきたが、これらの手がかりの正体である化学物質やフェロモンとしての性質はこれまで明確な特徴づけがなされていなかった。今回我々は、新生児ウサギを誘引して吸飲反応を起こさせる、雌ウサギが出す匂い信号物質の性質に焦点をあて、1つの哺乳類種における乳起源のフェロモンの化学特性および行動学的特性について綿密に調べた結果を報告する。 Full Text PDF 目次へ戻る