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細胞:シチジン脱アミノ酵素CEM15は、新たに合成されたHIV-1 DNAの高頻度変異をひきおこす

Nature 424, 6944 doi: 10.1038/nature01707

霊長類のレンチウイルス集団における遺伝的変異には、逆転写過程での変異頻度の高さが重要な役割を果たしている。薬剤耐性の獲得や、免疫監視機構からのすり抜けは、この変異頻度の高さが主たる原因である。in vivo及び培養細胞での複製の際に見られるGからAへの高頻度変異は、霊長類レンチウイルスをはじめとして、レトロウイルスに共通する特徴の1つであるが、その分子機構は解明されていない。本論文では、ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV-1)の複製を阻害するヒト細胞の内在性因子CEM15(アポリポタンパク質B mRNA編集酵素、catalytic polypeptide-like 3G;APOBEC3Gともよばれる)がシチジン脱アミノ酵素であり、新たに合成されたウイルスDNAにGからAへの高頻度変異を引き起こす作用をもつことを明らかにする。この作用に対抗するのが、HIV-1のVif (virion infectivity factor)である。CEM15というウイルスDNA変異因子は宿主細胞に備わる抗ウイルス防御機構であり、生成したてのウイルスの逆転写産物を不安定化させたり、致命的な高頻度変異を引き起こしたりするらしい。Vif欠失ウイルスの表現型はこのことで説明できる可能性がある。しかし、ウイルスゲノムが複製する間にCEM15の働きによる致命的でない変異が蓄積することが、霊長類レンチウイルス集団の遺伝的変動に大きく関わっている可能性があることは重要である。

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