Letter 考古:イスラエルのQesem洞窟に関するウラン系列法測定年代と前期旧石器時代の終焉 2003年6月26日 Nature 423, 6943 doi: 10.1038/nature01718 イスラエルは、ヒトが「アフリカを起源」として分散する際に通過した地理上の回廊の一部にあたる。こうした分散の際に起こった重要な出来事の1つが、中期更新世の後半に解剖学的な意味での現生人類がレヴァント地方(東部地中海とその沿岸域)におそらく到着したことである。レヴァント地方では前期旧石器時代がアシュール‐ヤブルド複合文化とともに終焉を迎え、その特徴としてあげられる技術の発達には、石刃の系統立った製作やハンドアックスの消失などがある。これらは、石器製作技術や道具の機能におけるヒトの新たな知覚や能力を反映している。2000年に発見されたQesem洞窟には、アシュール‐ヤブルド文化の堆積物が多数、良好に保存されており、この時代を知る新しい手がかりが得られるものと大きな期待が寄せられている。本論文では、付随の洞窟二次生成物に関してウラン同位体系列の測定により得られたこの堆積物の年代と、それらの意味するところについて報告する。これらの結果は、アシュール‐ヤブルド文化の年代範囲と前期旧石器時代の終焉の年代を知る手がかりとなり、また、前期旧石器時代のアシュール文化と中期旧石器時代のムスティエ文化の間には38万2千年前よりも以前に始まって約20万年前に終わる、長期におよぶ文化が存在していたことを示唆している。 Full Text PDF 目次へ戻る