Letter 生化学:TRF1によるテロメア長調節の末端伝達物質としてのPOT1 2003年6月26日 Nature 423, 6943 doi: 10.1038/nature01688 ヒトのテロメアの維持は染色体末端の保護に必須であり、テロメア長の変化は老化や癌に関係があることが示唆されてきた。ヒトのテロメア長は、TTAGGG反復配列結合タンパク質TRF1、ならびにそれと相互作用する相手であるタンキラーゼ1、TIN2、およびPINX1により制御されている。TRF1複合体はテロメアの二本鎖DNAに結合するので、一本鎖の3'末端テロメア突出部分に作用するテロメラーゼにどのようにしてTRF1複合体が影響を与えうるのかは未だ解明されていない。本論文では、TRF1複合体が一本鎖テロメアDNA結合タンパク質(POT1;テロメア保護タンパク質1)と相互作用すること、またヒトPOT1がテロメラーゼを介したテロメアの伸長を調節することを示す。一本鎖DNAの量が減少すると、テロメア上のPOT1の存在が少なくなった。さらに、POT1の結合は、テロメア長に応じて、TRF1複合体によって制御されていた。DNA結合ドメインを欠損したPOT1の変異型は、TRF1を介したテロメア長の調節をしなくなり、急速かつ規模なテロメア伸長を誘導した。我々は、TRF1複合体とPOT1の間の相互作用がPOT1の一本鎖テロメアDNAへの結合に影響しており、したがって、テロメア長についての情報を、テロメラーゼが制御を受ける部位であるテロメア末端に伝達していると考える。 Full Text PDF 目次へ戻る