Letter 地球:マントル融解時の希ガスの「電荷ゼロ」的分配挙動 2003年6月12日 Nature 423, 6941 doi: 10.1038/nature01708 希ガスの地球化学は、惑星の集積からマントルダイナミクス、さらに大気の生成までの惑星形成過程を理解するための重要な道具となっている。そのような過程をモデル化する場合の重要な点は、マントルが融解し、上昇して地表近くで脱ガスする際の希ガスの結晶―融成物間の分配である。地球化学では従来、「不活性」の希ガスは極度の不適合性を示す元素(imcompatible elements)で、溶融過程中で100%に近い抽出効率で固相から抽出されると考えられてきた。しかしながら、以前に公表されたケイ酸塩結晶と融成物との間の分配に関する実験データは、希ガスは適合的に近い挙動を示すようになり、従って融成物抽出の際に少なからぬ割合がマントル中に残ることが示唆されている。本論文では、希ガスはこれまで示されていたよりも不適合的であるが、必ずしも従来考えられていた、あるいは地球化学的モデルで必要とされていたほどではないことを示す。コンピューターを使った原子論的シミュレーションでは、希ガスは結晶格子の格子点に組み込まれた「電荷ゼロ」の化学種と考えることが出来ることを示唆している。格子歪みモデルと共に、このことは希ガスの地球化学的性質をマントル中に残った鉱物の関数としてモデル化するための理論的枠組みを与える。 Full Text PDF 目次へ戻る