Letter 植物:病原体が誘導する植物の全身的シグナルがDNAの再編成の引き金となる 2003年6月12日 Nature 423, 6941 doi: 10.1038/nature01683 植物では、ゲノムの安定性がさまざまな非生物性の環境条件によって影響されることが知られているが、病原体による影響についてはほとんどわかっていない。たとえば、トウモロコシをムギ斑葉モザイクウイルスに感染させると、転位因子が活性化され、感染植物の子孫の非感染個体にも変異が発生するようである。ムギ斑葉モザイクウイルスによって遺伝性の作用が生じることは、このウイルスがゲノムの安定性に細胞非自律的な影響を与えることを意味している可能性がある。シロイヌナズナArabidopsis thalianaでは、べと病菌Peronospora parasitica感染によって体細胞組換えの頻度が上昇する。しかし、組換え頻度へのこの影響に病原体自体の存在が必要なのか、それとも植物体の側の全身的応答によるものなのかは不明である。また、体細胞組換えの頻度の変化が遺伝しうるかどうかも明らかではない。本論文では、タバコモザイクウイルスやoilseed rapeモザイクウイルスのいずれかが感染したタバコでは、感染組織および非感染組織のどちらにおいても相同的組換えの頻度が3倍に上昇することを報告する。これらの結果は、全身的組換えシグナルが存在し、それが減数分裂の頻度上昇および(または)遺伝性の後発性体細胞組換えの頻度上昇に結びつくことを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る