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生理:プロテインチロシンホスファターゼ1Bの活性部位システイン残基の酸化状態

Nature 423, 6941 doi: 10.1038/nature01681

プロテインチロシンホスファターゼは、チロシンのリン酸化が関与するシグナル伝達経路を調節しており、癌、糖尿病、慢性関節リウマチ、高血圧症の発生にかかわると考えられている。細胞の酸化還元状態が、触媒システイン残基のスルフェン酸(Cys-SOH)への可逆的な酸化を介してチロシンホスファターゼ活性の調節に関与していることを示す証拠は増えつつある。しかし、スルフィン酸(Cys-SO2H)およびスルホン酸(Cys-SO3H)という不可逆な状態にまで酸化が進むことが妨げられている理由はわかっていない。本論文では、インスリン受容体の負の調節に重要な酵素であり、2型糖尿病および肥満の治療標的となる重要な酵素、プロテインチロシンホスファターゼ1B(PTP1B)の調節性のスルフェン酸塩、ならびに不可逆性のスルフィン酸塩およびスルホン酸塩の結晶構造を報告する。また触媒システイン残基の酸化によって形成されるスルフェニルアミド種も見つかった。スルフェニルアミドが形成されるとPTP1Bの活性部位で大きな変化が起こるが、これは、細胞内還元物質グルタチオンによる還元で元に戻る可逆的な変化である。スルフェニルアミド型は、PTP1Bの酸化を妨げ保護的に作用する中間体である。またスルフェニルアミド型は生物の持つチオール基によるPTP1Bの再活性化を促進し、このタンパク質に独特の状態を示すシグナルとなっている可能性がある。

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