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生化学:プロテインチロシンホスファターゼ1Bの酸化還元制御にはスルフェニルアミド中間体が関与している

Nature 423, 6941 doi: 10.1038/nature01680

第二メッセンジャーである過酸化水素は、数多くのシグナル伝達経路、特にプロテインチロシンキナーゼを介したシグナル伝達経路の至適活性化に必要とされる。過酸化水素が細胞過程を制御する機構の1つは、触媒システインを可逆的に酸化することによりプロテインチロシンホスファターゼを一時的に阻害し、タンパク質の脱リン酸化を抑制するというものである。本研究で我々は、プロテインチロシンホスファターゼ1B(PTP1B)の酸化還元依存性の制御を構造の面から解析した。PTP1Bは、細胞がインスリンや上皮増殖因子による刺激を受けた後に酸化によって可逆的に阻害される。PTP1B酸化に応じて生産されるスルフェン酸中間体は、今まで未知のスルフェニルアミド種化合物に速やかに変換され、この分子では触媒システインのイオウ原子は隣接した残基の主鎖の窒素に共有結合している。PTP1Bのスルフェニルアミド型への酸化に伴って、触媒部位で大きな構造変化が起こり、それによって基質の結合が阻害される。この珍しいタンパク質修飾は、PTP1Bの活性部位のシステイン残基が不可逆な酸化によりスルホン型になるのを防ぐと共に、チオールによる可逆的な還元を促進することで酵素の酸化還元制御を可能にする役割を果たしていると考えられる。

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