Article 生化学:ヒトFcαRIおよびそのIgA1-Fc複合体の結晶構造から考察されるIgAを介した免疫応答 2003年6月5日 Nature 423, 6940 doi: 10.1038/nature01685 免疫グロブリン-α(IgA)が結合した抗原は、免疫細胞上にあるIgA特異的受容体FcαRI(CD89)を活性化することで免疫エフェクター応答を誘導する。本研究では、ヒトFcαRIの単独の結晶構造およびIgA1(Fcα)のFc領域との複合体状態での結晶構造を示す。FcαRIは2つの免疫グロブリン様ドメインをもつが、この2つのドメインは互いに対してほぼ直角になるように配向している。Fcαは免疫グロブリンIgGおよびIgEのFcsに似ているが、ペプチド鎖間のジスルフィド結合の位置に違いがあり、またドメイン間ではなく外側にN結合型糖鎖がある。1:1で結合しているFcγRIII:IgGやFcεRI:IgE複合体とは異なり、2つのFcαRI分子が各Fcα二量体のそれぞれのCα2-Cα3連結部に1個ずつ結合している。IgA1のFcαRI結合部位は報告されている重合体免疫グロブリン受容体(PIgR)結合部位と重なっており、このことから分泌型IgAがインテグリン補受容体なしでは貪食作用を起こしたりFcαRIを発現している細胞に結合したり出来ない理由が説明できるかもしれない。 Full Text PDF 目次へ戻る