Letter 生態:森林の生物多様性の安定性 2003年6月5日 Nature 423, 6940 doi: 10.1038/nature01632 森林の生物多様性の潜在的な高さを説明する2つの仮説は、共存可能な生物種の数および種類や、種分化のない場合の生物多様性の潜在的低下に関して、異なる意味合いをもつ。第1の説は安定化機構に関係するもので、それには競争の少ない場所へ分散する能力や、豊富な資源を効率よく利用する能力、乏しい資源をめぐって競争する能力といった観点から見た種間のトレードオフが含まれる。この仮説では競争者の生長する時間や場所が異なるため安定化が起こる。もうひとつの「中立モデル」(neutral model)仮説は、安定化機構は不必要である可能性を示唆する。この仮説では「均等化」機構が強調されるが、それは競争による類似種の排除が緩慢なためである。生態的にみて差異がなければ、数度はランダムな「中立的浮動」(neutral drift)を経験し、絶滅も遅くなる。これら2つの機構の相対的重要性はわかっていない。なぜなら、仮定や予測には時間的にも空間的にも幅広いスケールが求められるからである。本論文では、中立的浮動の予測が古生物データベースの使用により検証可能なことを示す。得られた結果は、安定化に向かって強い力が働いていることを示した。我々は、時間とともに場所間の変動が増大するという中立説による予測とは対照的に、後氷期には場所間における高木の数度の変動が急速に安定化し、数度が広範な地理的スケールにわたって一貫性を維持することを示す。 Full Text PDF 目次へ戻る