Letter 生理:FOXO1-PGC-1αの相互作用を介したインスリンで調節される肝臓の糖新生 2003年5月29日 Nature 423, 6939 doi: 10.1038/nature01667 肝臓での糖新生は、長期にわたる絶食や飢餓の際の生存に絶対不可欠だが、糖尿病の場合には糖新生経路が不適切に活性化されている。グルココルチコイドとグルカゴンは、肝臓における糖新生を強く促進する作用をもつ。これに対し、インスリンは肝臓での糖新生を抑制する。この過程に重要な生理的役割をもつ因子として、フォークヘッド転写因子FOXO1(FKHRとも呼ばれる)と、転写コアクチベーターであるペルオキシソーム増殖因子活性化受容体‐γコアクチベーター1(PGC-1α;PPARGC1とも呼ばれる)の2つが知られている。これらの因子が協調して働くのかどうか、またどのように協調するのかは不明である。本論文では、FOXO1の野生型と変異型の対立遺伝子を利用して、PGC-1αがFOXO1に結合してこれをコアクチベートすること、そしてこの活性化はAktを介したリン酸化によって阻害されることを明らかにする。また、肝細胞やマウス肝臓において、糖新生遺伝子の発現をPGC-1αによって強く活性化するにはFOXO1の機能が必要である。インスリンは、PGC-1αによって誘発された糖新生を抑制するが、インスリンに感受性のない変異型相同遺伝子FOXO1を同時に発現させると、肝細胞でもトランスジェニックマウスでも糖新生の抑制は完全に解除される。FOXO1とPGC-1αは、インスリンによって調節される強力な糖新生プログラムの実行において相互作用すると我々は結論する。 Full Text PDF 目次へ戻る