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生理:活性化型ダイオキシン受容体の結合によるエストロゲン受容体シグナル伝達の調節

Nature 423, 6939 doi: 10.1038/nature01606

環境汚染物質は、多くの生物種においてさまざまな生理現象に影響を及ぼす。中でもダイオキシン類はエストロゲン撹乱作用を引き起す代表的な環境汚染物質である。ダイオキシン類は、その抗エストロゲン作用についてはよく知られている一方で、子宮内膜症やエストロゲン依存性腫瘍を誘発するとの報告もあり、エストロゲン様作用を有している可能性がある。しかし、ダイオキシン類のエストロゲン撹乱作用の分子機構はほとんど解明されていない。ダイオキシン受容体(AhR)とArntとのヘテロ二量体は、塩基性へリックス‐ループ‐へリックス/PASファミリーの転写因子であり、ダイオキシン類の及ぼす毒性の大半に関与する。本論文では、アゴニストによって活性化されたAhR/Arntヘテロ二量体が、エストロゲン受容体ER-αおよびER-βに直接結合することを報告する。この結合により、リガンド未結合状態のERおよび転写共役因子p300がエストロゲン標的遺伝子のプロモーター上で複合体を形成し、標的遺伝子の転写ひいてはエストロゲン様作用が誘導される。一方リガンドが結合したERの機能は抑制される。AhRアゴニストのエストロゲン様活性は、野生型の卵巣摘出マウスの子宮では検出されたが、AhR-/-またはER-α-/-の卵巣摘出マウスでは認められなかった。これらの結果は、ERを介したエストロゲンシグナル伝達が活性化型AhR/Arntの転写共役因子様の調節を受けることによって、ダイオキシン型環境汚染物質のエストロゲン撹乱作用が発揮される、という新規分子機構の存在を示唆している。

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