Article 視覚:網膜内で行われる物体と背景の動きの区別 2003年5月22日 Nature 423, 6938 doi: 10.1038/nature01652 視覚の重要な作業の一つは、静止している光景の中から動いている物体を検出することである。これは、通常の視活動中、たとえ注視状態であっても、眼球自体の動きによって映像が網膜上をたえず動いているため、複雑な作業になる。動く物体を検出するのに脳がしなくてはならないことは、注視中の眼球運動による網膜像全体の移動から光景内の局所的な動きを区別することである。この過程は、網膜内ですでに始まっていることが見出された。網膜神経節細胞の一部は、受容野同心円の中心部がより広い周辺部と異なる軌跡で動くときにのみ応答する。この「動きの差」に対する選択性は、動きの方向には依存せず、非線形の介在ニューロンをプールして活動するような網膜内回路モデルによって説明できる。像全体の動きの抑制は、おそらく一過性の反応を行う多軸索の広角アマクリン細胞によって仲介されているのだろう。今回、異なる動きに対して選択的に応答する一群の神経節細胞が、動く物体にいちはやく標識付けし、動く物体が複数ある場合でもそれらを区別する仕組みを明らかにする。 Full Text PDF 目次へ戻る