Letter

量子情報科学:量子ドットにおける電子トンネリングの実時間検出

Nature 423, 6938 doi: 10.1038/nature01642

強い(クーロン)相互作用が電子間に存在するナノ構造は時間的な電子相関を見せると予言されている。このような相関の存在を示す証拠は多数得られているが、エンジニアードナノ構造における電子動力学は長時間スケールでしか直接観測されていなかった。電流や電荷のゆらぎと関係する高速の動力学は、通常、直流(あるいはほぼ直流)の電流を測定して推測される。最近、電子動力学への関心が高まっているが、その理由の一つは、電子相互作用に関する新しい情報が直流のショット雑音、あるいはもっと高次の統計モーメントから求めることが可能と認識された点にある。また、量子計算の関心が高まって、量子ビット(キュービット)読み出し技術の研究が刺激されたこともある。多くの凝縮物質系に対しては、読み出し技術は1個の電子電荷を1回の測定で検出する技術になる。ここでは、量子ドットにおける一個一個の電子トンネリング現象を、集積した高周波単一電子トランジスタを使って実時間で観測した結果を報告する。電子を1個ずつ数える方法により、量子ドットのトンネリング速度とその電荷状態の占有確率を直接測定した。その結果、ほぼ孤立したドットで長い(10μs以上)非弾性散乱時間を示す証拠を得た。

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