Letter 細胞:線虫の細胞分裂にはコンドロイチンプロテオグリカンが関与する 2003年5月22日 Nature 423, 6938 doi: 10.1038/nature01635 ヘパラン硫酸やコンドロイチン硫酸などのグリコサミノグリカンは、細胞間シグナル伝達に関与する細胞外糖鎖である。ショウジョウバエやマウスでグリコサミノグリカンの生合成にかかわる酵素の遺伝子を破壊すると、重篤な状態に陥る。ショウジョウバエのUDP‐グルコースデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子sugarlessが変異すると、Wntファミリーのタンパク質Winglessがかかわる発生関連シグナル伝達や、繊維芽細胞増殖因子やヘッジホッグ系によるシグナル伝達が損なわれる。ヘパラン硫酸はこれらのシグナル伝達系に関与しているが、コンドロイチンの関与についてはよくわかっていない。しかし、低硫酸化および高硫酸化コンドロイチン硫酸鎖は、マラリア原虫に感染した赤血球のヒト胎盤への接着や神経発生の調節といった他の生理過程に関与していると見られている。我々はコンドロイチンの働きを調べるため、線虫Caenorhabditis elegansでコンドロイチン合成酵素遺伝子の相同体をクローニングし、RNA干渉法と欠失変異誘発法によってその産物発現を低減させた。本論文では、コンドロイチン合成を阻害すると胚発生初期の細胞質分裂が損なわれることを報告する。コンドロイチンの欠乏した胚では細胞質分裂の逆戻り現象がしばしば見られ、最終的には細胞分裂が停止して、胚は早期に死に至る。今回の知見は、胚の細胞質分裂および細胞分裂にはコンドロイチンが必要であることを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る