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細胞:ヒューマニンペプチドはBaxの活性化を妨げることによってアポトーシスを抑制する

Nature 423, 6938 doi: 10.1038/nature01627

Bax(Bcl2-associated X protein)はアポトーシス誘導タンパク質で、正常な発生やさまざまな病気の際に起こる細胞死に関与する。Baxは多くの細胞の細胞質に不活性型として存在する。細胞死誘導刺激に応答してBaxタンパク質の立体構造が変化し、膜ターゲティングドメインが露出する。その結果Baxはミトコンドリア膜へと運ばれ、そこで膜へと挿入され、シトクロムcやその他のアポトーシス誘発タンパク質の放出を引き起こす。Baxの不活性型構造から活性型への転換を何が制御しているのかは、わかっていない。本論文では、Baxが哺乳類ゲノムにコードされる24個のアミノ酸からなる抗アポトーシスペプチドのヒューマニン(HN)と相互作用することを明らかにする。HNは細胞質からミトコンドリアへのBaxの移動を妨げる。逆に、短い干渉RNA分子を使ってHNの発現を減少させると、Baxに対する細胞の感受性が高まり、Baxの膜への移動が増加する。またHNペプチドは、単離したミトコンドリアへのBaxの結合を阻害し、in vitroでのシトクロムcの放出を抑制する。特筆すべきは、ミトコンドリアゲノムにもまったく同じオープン・リーディング・フレームがあり、このミトコンドリア版HNもBaxに結合して抑制することである。したがって、HNは、ミトコンドリアから生じて核ゲノムへと転移して、これらの細胞小器官をBaxから守る仕組みを提供しているのではないかと推測される。

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