Letter 量子情報科学:任意の未知の状態の絡み合い純粋化実験 2003年5月22日 Nature 423, 6938 doi: 10.1038/nature01623 長距離間で量子通信を行うには遠く離れた場所へ絡み合い状態を配送することが不可欠となる。しかし、量子通信路ではデコヒーレンスが避けられず、絡み合い状態の質は一般にチャネル長と共に指数関数的に減衰する。絡み合いの純粋化とは、絡み合いが低い状態の大きな集合から、絡み合い純度が高い部分集合を抽出する方法であるが、これがデコヒーレンスを克服するため必要になる。絡み合いの純粋化は量子通信への応用で重要になるだけでなく、量子計算の誤り訂正でも重要な役割を果たす。それは、この純粋化によって異なるキュービット間の論理演算の質が著しく高くなるためである。ここでは、線形光学素子だけを使って、偏光絡み合い光子の一般的な混合状態に対して絡み合い純粋化を実証した。おおむね、忠実度が75%の2個の光子ペアから忠実度が92%の1個の光子ペアを得ることができた。我々の実験によると、この純粋化技術によるデコヒーレンス抑制能力は、長距離量子通信の量子中継器の誤差率を許容範囲まで下げるのに十分な能力である。これらの結果は、また、無停止型量子計算での高精度論理演算の必要条件がかなり緩和できることを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る