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細胞:Wntタンパク質は脂質による修飾を受け、幹細胞の増殖因子として働く

Nature 423, 6938 doi: 10.1038/nature01611

Wntシグナル伝達系は、幹細胞の増殖や神経冠の特殊化など、動物の発生過程でのさまざまな現象に関与している。Wntタンパク質は特定の型の細胞を増加させるのに重要な因子の可能性があるが、ヘッジホッグタンパク質や骨形成タンパク質などといった発生にかかわる他のシグナル伝達分子とはちがって、活性型のWntタンパク質はまだ単離されたことがない。Wntタンパク質は細胞から分泌されるが、通常は分泌効率が悪く、非常に溶解性が低いために、その性質を調べようという試みは失敗に終わってきた。今回我々は、マウスのWnt3a遺伝子産物を含む、活性を持ったWnt分子を単離した。質量分析によって、このタンパク質では、保存されたシステイン残基1個がパルミトイル化されていることが明らかになった。このパルミチン酸を酵素によって除去した分子や、修飾されるシステイン残基に部位特異的突然変異、あるいは自然突然変異が誘発された分子では活性が失われるので、この脂質がシグナル伝達に重要な役割をもつことが示される。精製したWnt3aタンパク質が造血幹細胞の自己複製を誘導することは、このタンパク質を組織工学に利用できる可能性を示している。

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