Letter

医学:pre-B細胞型急性リンパ芽球性白血病におけるSLP-65アダプターの欠陥

Nature 423, 6938 doi: 10.1038/nature01608

急性リンパ性白血病(ALL)は最も多く見られる小児悪性腫瘍であり、ほとんどの症例はpre-B細胞の分化段階で停止したB細胞クローンが原因である。白血病性pre-B細胞においてpre-B細胞分化を妨げる分子機構は解明されていない。本論文では、分化調節因子SLP-65(BLNKまたはBASHとも呼ばれるアダプタータンパク質)が、マウスのpre-B細胞型白血病を抑制することを示す。SLP-65-/-pre-B細胞株でのSLP-65発現系を再構築すると、in vitroでの分化促進を誘導し、また免疫不全マウスにおけるpre-B細胞型白血病の発症が防止された。この活性には、SLP-65のチロシン96が必要であった。マウスのSLP-65-/-pre-B細胞型白血病は、ヒトの小児pre-B-ALLに類似している。実際に、調査した小児pre-B-ALLの34例中16例でSLP-65発現の完全な消失または顕著な低下が見られた。この発現の消失はおそらく別のエクソンがSLP-65転写産物へ入り込むためであり、これによってタンパク質合成を中途で終了させる終止コドンが存在するようになる。このように、SLP-65の体細胞性の欠失およびこれに付随して起こるpre-B細胞分化の停止は、小児pre-B-ALLの主要な原因の1つであると考えられる。

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