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細胞:造血幹細胞の自己複製におけるWntシグナル伝達の役割

Nature 423, 6938 doi: 10.1038/nature01593

造血幹細胞(HSC)は、自己複製を行うことができ、血液系のあらゆる細胞系列を生じる能力をもつが、HSCの自己複製を制御するシグナルについては未だにわかっていない。本論文では、この過程にWntシグナル伝達系が重要な役割を果たすことを明らかにする。活性化β-カテニンを過剰に発現させると、長期培養系で表現型的にも機能的にもHSCの割合が増加する。また、周囲の微小環境が正常なHSCはLEF-1/TCFレポーターを活性化するが、これはHSCがin vivoでWntシグナル伝達に応答することを示している。Wnt経路がHSCの増殖に生理的に重要であることを実証するために、Wntシグナル伝達系の阻害物質であるaxinあるいはfrizzledのリガンド結合ドメインを異所的に発現させると、in vitroではHSCの増殖が阻害され、in vivoでは造血系の再構築が抑制される。さらに、HSCのWntシグナル伝達を活性化すると、HSCの自己複製にかかわるとされるHoxB4遺伝子とNotch1遺伝子の発現が増大する。これらの結果から、in vitroでもin vivoでも正常なHSCの恒常性にはWntシグナル伝達経路が不可欠であると結論され、また、HSCの発生調節に存在すると思われる分子の階層構造についても考察が得られる。

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