Letter ラミンAに頻出する新規点突然変異がハッチンソン‐ギルフォード早老症候群の原因である 2003年5月15日 Nature 423, 6937 doi: 10.1038/nature01629 ハッチンソン‐ギルフォード早老症候群(HGPS)は希な遺伝病であり、著しい早期老化を思わせる容貌を特徴とする。本論文では、HGPSの原因がラミンA(LMNA)の変異である証拠を報告する。HGPS関連遺伝子は当初、第1染色体の長腕(1q)に位置すると推定されていたが、これは、1qの片親性イソダイソミー(染色体上の同じ部分を2コピーとも片親から受け継ぐ状態)を示す2症例と、父方の遺伝子の6 Mbの中間部欠損がみられる1症例の観察に基づいていた。この領域に位置し、過去に他の複数の遺伝性疾患との関連が示唆されていたLMNAの配列を決定した結果、典型的なHGPSの特徴を示す20人中18人が同一の新規(すなわち親から受け継いだものでなく新たに生じた)1塩基置換G608G(GGC>GGT)を第11エキソンにもつことがわかった。別の一例では、同じコドン内に異なる置換が認められた。これらの変異はいずれも、第11エキソン内の潜在スプライス部位を活性化させ、カルボキシ末端近傍の50個のアミノ酸を欠くタンパク質産物の産生につながる。HGPS患者の繊維芽細胞を対象に、対ラミンA抗体で免疫蛍光解析を行ったところ、多くの細胞の核膜に明瞭な異常が認められた。HGPSの分子的基盤の発見は、ヒトの老化にみられる一般的な現象の解明に役立つ可能性がある。 Full Text PDF 目次へ戻る