Letter 生態:捕食性魚類群集の急速な世界的減少 2003年5月15日 Nature 423, 6937 doi: 10.1038/nature01610 漁業の産業化がもたらす生態学的影響は深刻に懸念されており、漁場および海洋生態系の健全な水準への回復を目標とした国連決議が急がれている。しかし、回復の前提条件として、現在の魚類群集に比較して、漁業資源利用前の構成および数度に関する一般的な見解が必要となる。今回、4つの大陸棚と9つの海洋系について、漁業利用開始以降の利用可能な全データを用いて群集バイオマスおよび大型捕食性魚類の構成のトラジェクトリーを構築した。その結果、漁業産業化により群集バイオマスは15年間の資源利用の間にほぼ80%減少していた。成長の速い種では減少を埋め合わせるような増加が認められたが、10年以内に逆転することが多かった。またメタアナリシス法によると、今日の大型捕食性魚類のバイオマスが、漁業産業化以前のわずか10%程度のレベルに過ぎないと推定される。我々は沿岸地域における大型捕食性魚類の減少が世界中の海洋に波及し、おそらく生態系にも重大な結果を招いていると結論する。今回の結果は、近年のデータのみに基づく資源管理が誤った解釈を招きかねないことを示唆し、資源利用前の群集に対する最小推定値を与えるもので、これは将来の回復への取り組みに必要な「欠落している基準値(missing baseline)」となる可能性がある。 Full Text PDF 目次へ戻る