Article 細胞:正常な幹細胞と白血病幹細胞の増殖能力はBmi-1が決定する 2003年5月15日 Nature 423, 6937 doi: 10.1038/nature01572 癌の生物学的研究で最近浮上してきたのが、腫瘍を構成する不均質な細胞群の中に、ごく少数の「腫瘍幹細胞」群が存在するという考え方である。この概念は、ヒトの白血病で最も詳しく説明されており、幹細胞の機能(正常でも腫瘍性でも)が、ある共通の重要遺伝子群によって決められている可能性があることを示している。今回、ポリコウム遺伝子群のBmi-1が、正常幹細胞、正常前駆細胞の増殖能力の調節に重大な役割を果たしていることを明らかにした。本研究で最も重要なのは、Bmi-1をもたない白血病幹細胞や白血病前駆細胞は、増殖能力が損なわれていることを実証したことである。なぜならば、それらはやがて増殖が停止し、分化とアポトーシスの徴候が見られ、その結果白血病の移植ができなくなるからだ。相補性を調べたところ、これらの増殖能力の異常はBmi-1によって完全にレスキューされることが明らかになった。これらの結果は、Bmi-1が正常幹細胞と白血病幹細胞両方の増殖能力の調節に不可欠の役割を持っていることを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る