Letter 物理:単一気泡の振動による小胞体の変形と溶解の制御 2003年5月8日 Nature 423, 6936 doi: 10.1038/nature01613 空洞化(キャビテーション)によって生じた気泡が潰れるとき、エネルギーや力や応力を集中的に及ぼす能力は、空洞化破損や音響化学、音響ルミネッセンスのような現象のもとになっている。生物学や医療の関連でいえば、超音波で駆動されるマイクロ気泡は、超音波画像のコントラストを増すために用いられてきた。また気泡強化音響穿孔法(音響学的に膜を破壊する技術)の発見は、電気穿孔法や粒子弾穿孔法に替わる細胞膜透過の技法として、治療上の応用を工夫する可能性を開いた。しかしこれらの開拓的実験は、急激に潰れる気泡が膜に微細な孔を穿つのか、大きな穴をあけるのか、そのメカニズムを正確に断定することはできなかった。今回我々は、気泡の緩やかな線形振動は、脂質の膜を破壊するに十分であることを示す実験を報告する。この線形振動の領域では、気泡が潰れるまでの振舞いから音響穿孔現象までを正確に制御することができる。マイクロ気泡の持つ焦点作用を使うことで、ミクロンスケールの音響学(マイクロ音響学)が実用的手法となり、マイクロ流体デバイスのほか、細胞操作や細胞膜透過への応用が可能になる。 Full Text PDF 目次へ戻る