Letter 生物物理:極限速度での折りたたみ 2003年5月8日 Nature 423, 6936 doi: 10.1038/nature01609 多くの小さなタンパク質は、従来の化学反応速度論と遷移状態理論によって説明することのできる単純なプロセスで折りたたまれると考えられている。このような考えは、高エネルギー活性化状態と反応物とが瞬時に平衡状態になることを前提としている。ところが現実には、平衡化は反応に関与する分子に固有のタイムスケールで起きるので、それよりも速い時間領域ではそのような解析は成り立たなくなる。通常の化学反応における分子タイムスケールは実験で測定するには短すぎるが、タンパク質の場合には十分に長く、実験で測定できる可能性がある。それを直接証明するために、我々は5本ヘリックス束のタンパク質λ6-85のいくつかの変異型タンパク質の折りたたみ反応を研究した。これらの変異体の折りたたみ反応は非常に速く、活性化状態が蓄積する。2μs未満での反応速度係数は、分子タイムスケールの出現、言い換えると極限速度での折たたみ反応が起きていることを示唆した。単純なモデルにより、分子タイムスケールは、折りたたみ反応の遷移状態モデルにおける頻度因子に対応することが示された。 Full Text PDF 目次へ戻る