Letter

細胞:細胞接着分子にかかわるつかみ結合(catch bond)の直接観察

Nature 423, 6936 doi: 10.1038/nature01605

接着分子間の結合には、機械的応力がかかっている場合が多い。その著しい例がセレクチンとリガンド間の結合にかかる抗張力で、この力が、流れていく白血球を血管の内表面でつなぎ止めたり転がしたりする。力が行う仕事によって結合状態と遊離状態とのエネルギー障壁が下がるために結合の寿命が短くなる(滑り)可能性もあるし、力が分子を変形させて、より固くまとまらせるために結合の寿命が長くなる(つかみ)可能性もあるとされている。滑り結合についてはさまざまな観察例があるが、つかみ結合については、これまで実験で明らかにはなっていない。今回、原子間力顕微鏡とフロー・チャンバー実験によって、力を増していくと、P‐セレクチン糖タンパク質リガンド‐1とP‐セレクチンが作る複合体の寿命が最初は長くなり、次いで短くなることを明らかにした。つかみ結合と滑り結合の両方の挙動が起こることがわかる。血管壁のせん断応力が増加するにつれ、セレクチン上の白血球の転がりが最初は増加し、次いで減少するが、この理由はつかみ結合から滑り結合への遷移で説明できるかもしれない。力に対するこのような2種類の応答が、さまざまな機械的応力条件下で、細胞接着を制御するための機構となっている。

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