Letter 細胞:タンデム型β‐ジッパーを介してヒトフィブロネクチンに結合する病原菌 2003年5月8日 Nature 423, 6936 doi: 10.1038/nature01589 ヒトにとって重要な2種の病原体、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)と化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)は、宿主のフィブロネクチン(Fn)を標的とし、これに接着して宿主細胞に侵入する。細菌の細胞壁に固定されているフィブロネクチン結合タンパク質(FnBP)は、そのほどけた状態の領域に、Fnと結合する複数の繰り返し構造をもつ。一方、Fnのアミノ末端ドメインにある細菌結合部位(1-5F1)は、5個の連続した1型(F1)モジュールを含む。本論文では、モジュール対1F12F1と複合体を形成した連鎖球菌の一種(S.dysgalactiae)のFnBPペプチド(B3)の構造を報告する。これによってB3の内部に位置する1F1および2F1結合モチーフは、連続F1モジュール上に逆平行β鎖を追加的に形成していることがわかった。これは、タンデム型β-ジッパーの存在を示す最初の例である。化膿連鎖球菌と黄色ブドウ球菌のFnBPの広い領域を対象とした配列解析では、Fnの1-5F1中のF1モジュールのパターンに一致する、F1結合モチーフの繰り返しパターンの存在が確認された。したがってFnを介した宿主細胞侵入過程において、細菌タンパク質は延長したタンデム型β-ジッパーを形成することによってFnのモジュール構造を利用しているようである。今回得られた結果は、インテグリンに依存したFnBP介在型の宿主細胞侵入の完全な機構の解明に向けた重要な第一歩となる。 Full Text PDF 目次へ戻る