Letter 生態:シロイヌナズナにおけるR遺伝子による耐性の適応コスト 2003年5月1日 Nature 423, 6935 doi: 10.1038/nature01588 耐性遺伝子(R遺伝子)は、植物における免疫系として働いており、病原体を認識して防御経路を誘導する。植物ゲノムには多くのR遺伝子座が存在するが、これはおそらく多様な耐性対立遺伝子を維持する必要性の現れであろう。またR遺伝子座は、耐性対立遺伝子と感受性対立遺伝子に分離していることが多く、自然選択により数百万年にわたって単一種内で多型として維持されてきた。個体が病害耐性を持つことに明らかな利点があるとすれば、自然選択による耐性対立遺伝子の固定化を妨げているものは何だろうか。耐性を持つことに対するコストは説明の1つとなる可能性がある。多くのモデルでは、病原体が存在しない場合、耐性を持つ個体が感受性対立遺伝子を長期間維持することの適応度は低いとしている。今回、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)のRPM1遺伝子座で耐性コストの存在について検討した。RPM1およびその本来のプロモーターの有無が異なる同質遺伝子系統の適応度を比較した野外試験から、RPM1の維持には大きなコストが必要とされることがわかった。これは、古くから存在するR遺伝子多型の維持には、コストが関わっていることを示す最初の証拠である。 Full Text PDF 目次へ戻る