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遺伝:炭疸菌エームズ株のゲノム配列および近縁細菌との比較

Nature 423, 6935 doi: 10.1038/nature01586

炭疸菌(Bacillus anthracis)は内性胞子形成細菌であり肺炭疸の病原体である。重要な毒性遺伝子はプラスミド(染色体外にある環状の二重鎖DNA分子)pXO1とpXO2上で見つかっている。毒性に関与する可能性のある遺伝子をさらに探すため、我々は炭疸菌エームズ株(B. anthracis Ames)の染色体の全塩基配列(およそ523万塩基)を解析した。そして、染色体上にコードされていて溶血素やホスホリパーゼ、鉄獲得機能など病原性に関与すると見られる数種のタンパク質を見つけ、ワクチンや薬剤の重要な標的となりそうな細胞表面タンパク質を多数特定した。これらの毒性タンパク質や細胞表面タンパク質と見られる染色体性タンパク質のほぼすべては、セレウス菌(Bacillus cereus)と相同なタンパク質であり、炭疸と無関係な近縁細菌と炭疸菌との類似性がはっきりする。我々は、炭疸菌のDNAマイクロアレイに対して19株のセレウス菌および昆虫病原細菌Bt菌(Bacillus thuringiensis)でCGH(comparative genome hybridization)法を行い、この近縁細菌群で、染色体上にある遺伝子に総体的な類似性があることを確認した。しかし、pXO1とpXO2の遺伝子配列は菌株間の変動が大きく、この近縁群においてプラスミドが可動性をもつことが示唆される。炭疸菌の全塩基配列は、炭疸の病原機構の理解を進めるための一歩となる。

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