Letter 遺伝:セレウス菌のゲノム配列および炭疸菌との比較解析 2003年5月1日 Nature 423, 6935 doi: 10.1038/nature01582 セレウス菌(Bacillus cereus)は日和見感染性の病原体で、食中毒の原因となり下痢や嘔吐症状を引き起こす。この細菌は、人獣共通感染病原体である炭疸菌(Bacillus anthracis)および昆虫病原細菌であるBt菌(Bacillus thuringiensis)にごく近縁である(炭疸菌は生物兵器として、Bt菌は殺虫剤として使われる)。炭疸菌とBt菌は、プラスミド伝播性の特異的毒素(炭疸菌とBt菌)や莢膜(炭疸菌)があることで、セレウス菌と容易に区別できる。だが、染色体上にある遺伝子の解析を基盤とした系統解析研究からは異論を呼ぶ結果が得られており、セレウス菌と炭疸菌とBt菌は同一種の中の変種なのか、それとも別々の種なのかははっきりしていない。本論文では、セレウス菌の基準菌株ATCC 14579の塩基配列解読と解析を報告する。セレウス菌ATCC 14579の全ゲノム塩基配列と、ギャップの残る炭疸菌A2012株のゲノムとを使っての比較解析が可能となり、セレウス菌と炭疸菌の間で保存されている遺伝子や、それぞれの種に固有の遺伝子を特定することができた。我々は、両者で保存されている遺伝子からセレウス菌群の系統発生を解明し、種固有の遺伝子からプラスミドと無関係な種特異的マーカーを決定した。 Full Text PDF 目次へ戻る