Letter 生態:生物多様性の統一中立理論の検証 2003年4月24日 Nature 422, 6934 doi: 10.1038/nature01583 生態学の根幹をなす疑問の1つは、何が生物多様性を支配しているのか、ということである。最近の理論では、生物多様性は主として種の数度の中立的浮動(neutral drift)によって支配されていると考えられている。この理論は少なからず議論を巻き起こしたが、それはこの理論が、生態学者らによって長く調べられてきた多くの機構(ニッチなど)が生物群集の構築にほとんど関与していないと主張するものだからである。この理論では、1つの群集内の種の数度分布はゼロサム多項分布(ZSM)に従うはずだと予測しているが、これはまだ厳密に検証されていない。もっと具体的にいえば、妥当なヌルモデルよりもZSMのほうがデータと有意に強く符合することがまだ示されていないのである。私は今回、ZSMが対数正規分布に比べて数種の実験データセットとより大きく符合するかどうかを調べた。結果はそうならなかった。ZSMは、その時の対数正規分布の95%を上回って実験データと符合することはなく、しかも、その時の過半数と比べても実験データと強い符合を示すこともなかった。これからすると、より簡易なヌル仮説と比べてZSMが数度予測で勝っていることを示す証拠は今のところ存在しない。 Full Text PDF 目次へ戻る