Letter 物性:高温超伝導体の交じり合わない超伝導性と反強磁性 2003年4月24日 Nature 422, 6934 doi: 10.1038/nature01544 高温超伝導体に関しては、一般に受け入れられている理論はまだない。ほとんどのモデルでは、ドーピングによって絶縁性の反強磁性「親」化合物の価電子バンドに「ホール」が生成され、反強磁性と高温超伝導性が密接に関係していると考えられている。それぞれのエネルギーがほぼ同じであるならば、強い反強磁性揺らぎ(時間的・空間的に制限された反強磁性ドメイン)が超伝導相に存在し、超伝導揺らぎが反強磁性相に存在すると予想されている。つまり、この2つの状態は広い長さスケールにわたって「交じり合う」とされている。今回我々は、1単位格子厚さの反強磁性体La2CuO4の障壁層が高い絶縁性を保ち超伝導電流を完全に妨げていることを報告する。すなわち特徴的な減衰距離は1Åであり、2相が交じり合わないことを示している。同様に、絶縁された1単位格子厚さのLa1.85Sr0.15CuO4層が超伝導性を保っていることを発見した。さらに、後者はドーピングによってバンドギャップの中間近くに新しい電子状態が作られたことを意味している。この2つの発見は、スピン-電荷分離を前提とするモデルを含む数少ない例外を除いて、提唱されているほとんどのモデルと矛盾している。 Full Text PDF 目次へ戻る