Letter 物理:天然ビスマスの放射性崩壊から生ずるアルファ粒子の実験的検出 2003年4月24日 Nature 422, 6934 doi: 10.1038/nature01541 ビスマスの天然に存在する唯一の同位体209Bi は、一般に、最も重い安定な同位体とみなされている。しかし、自然界に豊富に存在し例外的に長い寿命が特徴であるその他多くの重い原子核同様、これもアルファ崩壊に関しては準安定である。ただ、209Biの核構造は、崩壊の確率を極端に小さいものにしており、その上、検出の難しい低エネルギーのアルファ粒子を放出するので、崩壊はふつう観測できない。実際、209Bi のアルファ崩壊を原子核乾板の中に記録しようと繰り返し実験したが、いずれも失敗に終わっている。しかし、温度100mK以下で作動するシンチレーション・ボロメター(蛍光熱量計)では、検出の効率と感度が改善され、従ってこの測定器をさまざまな目的に使うことができる。今回我々はこの方法を有効に用い、20mKに冷却したゲルマニウム化ビスマス検出器中の209Bi のアルファ崩壊を明瞭に検出したことを報告する。放出されたエネルギーは3137±1(統計誤差)±2(系統誤差)keV、半減期は(1.9±0.2)×1019年である。これらは予測された数値と一致する。 Full Text PDF 目次へ戻る