Letter 細胞:移植された骨髄は細胞融合によって肝臓を再生する 2003年4月24日 Nature 422, 6934 doi: 10.1038/nature01539 ひとつの組織に由来する細胞を移植すると、移植後複数の組織の細胞が生じる場合があることが、いくつかの実験系による研究結果で示されている。その原因としては、多能性の成体幹細胞あるいは数種類の成体幹細胞がドナー組織に存在する可能性と、ドナー細胞とレシピエント細胞の融合による可能性が考えられる。フマリルアセト酢酸加水分解酵素遺伝子に変異のある(Fah-/-)高チロシン血症モデルマウスにFah+/+骨髄細胞を移植すると、正常な肝機能の回復が見られ、組織学的に正常でFahを発現する肝小結節が再生する。本論文では、この肝小結節には野生型のFah対立遺伝子よりも変異型の方が多く含まれ、この部分の肝細胞はドナー遺伝子と宿主遺伝子を両方とも発現していることを明らかにする。これは、宿主細胞とドナー細胞の融合により倍数体ゲノムが形成されたことと一致する。緑色蛍光タンパク質を発現する泡沫状ウイルスベクターを組み込んで標識した骨髄細胞を用いることによって、肝小結節と造血系細胞ではプロウイルス接合部が共通であることを確認した。また細胞融合後には、野生型Fah遺伝子が活性化され、造血細胞に共通するCD45マーカーが発現されないなど、ドナーの造血細胞ゲノムが肝細胞に近い発現プロフィールをもつようになることもわかった。 Full Text PDF 目次へ戻る