Review Article 進化:Homo sapiensの遺伝学と成り立ち 2003年4月24日 Nature 422, 6934 doi: 10.1038/nature01495 ヒトを他の霊長類と区別する身体上および行動上の形質の遺伝的基盤を理解することは、生物学の新たな重要課題の1つである。ヒトとチンパンジーで異なる数千万の塩基対のうち、500万〜700万年前にチンパンジー属とヒト属の2系統が分かれてから後、いったいどれがヒトの特徴の進化に関与したのだろうか。どのようにしたら、分子進化時計の淡々とした針の刻みと、ヒトが遺伝的に進化した決定的な証拠とを区別することができるのだろうか。ヒト科における形態進化の規模や速度からは、多くの発生上の変化が独立して漸進的に起こったことが示唆され、モデル動物を使った最近の諸知見に基づけば、こうした変化は自然界においてポリジーン様式で調節的に生じたことが推測される。比較ゲノム科学や集団遺伝学、遺伝子発現解析、遺伝医学が互いに補い合う形で、この遺伝学的に複雑なヒト進化の筋書きの解明に取り組み始めている。 Full Text PDF 目次へ戻る