Letter 生化学:CtBPコリプレッサー複合体によって起こる協調のとれたヒストン修飾転写 2003年4月17日 Nature 422, 6933 doi: 10.1038/nature01550 転写のコリプレッサーCtBP(C-末端結合タンパク質)は腫瘍形成にかかわりがあると考えられている。それは、発癌性の形質転換の際にアデノウイルスE1Aタンパク質の標的になるからである。遺伝学研究によって、CtBPが動物の発生にも重要な役割を果たすことがわかっている。CtBPはPXDLSモチーフをもつ転写因子の働きでDNAへと引き寄せられるが、その後の詳しい経過やCtBPが腫瘍形成に果たす役割は、ほとんど解明されていない。本論文ではCtBP複合体の同定を報告する。この複合体は、標的遺伝子の探索と協調のとれたヒストン修飾に不可欠な働きをする成分を含んでおり、そのためにCtBPは標的遺伝子を効率よく抑制できる。CtBPの発現を阻害したり、CtBPに付随するヒストン修飾活性をRNA干渉を利用して阻害したりすると、腫瘍の浸潤を抑制する遺伝子E-カドヘリンのプロモーターのヒストン修飾に変化が生じ、レポーター遺伝子を使った実験でプロモーター活性の亢進が見られた。これらの知見はCtBPによる転写抑制の分子機構を明らかにするもので、CtBPが発癌を制御するしくみについてもこれから考察できる。 Full Text PDF 目次へ戻る