Letter 生態:雄は知覚的に実子かどうかを判断し子育ての仕方を決める 2003年4月17日 Nature 422, 6933 doi: 10.1038/nature01528 進化生態学者たちは、子をどの程度世話するかに関する行動上の判断を親がどのように下すかを説明しようとしている。理論上の推測では、たとえば侵入者の精子が混ざった場合などのように子との血縁度が低減した場合、親はこれらの子の世話を削減し、これよりも繁殖成功度が高くなる別の産子群の世話を優先しようとするはずである。この理論を検証するために、実父度(知覚的に判断される実父である確率)を実験的に操作する方法が用いられてきたが、そうした研究から得られた結果は多種多様である。いくつかの操作では、知覚される実父度を変化させることができず、また他の操作では、たとえば操作手順に親の捕獲が含まれる場合など、親の行動に直接影響を与えてしまう可能性がある。実験の設計や生活史の相関現象によって錯綜することのない方法で、親が子の世話を調節していることをはっきり示した研究はこれまでなかった。本論文では、この理論を検証するために、巣づくりをする魚類ブルーギル(Lepomis macrochirus)の雄が、産卵の最中に巣に侵入してきて放精しようとする寄生性の雄の視覚的な存在と、新しく孵化した卵から放たれる嗅覚的手がかりの両方を使って、自分の本当の子かどうかを評価できるという事実を利用した。この2種類の手がかりの両方を操作することによって、子育てする雄は自分に最も血縁関係が深いとみられる子が優先的に世話を受けられるように動的に世話のしかたを調節していることを示す。これらの結果は、子の世話に関する親の意思決定には血縁度が重要であることを実証するものだ。 Full Text PDF 目次へ戻る