Letter 発生:甲虫コクヌストモドキではorthodenticleとhunchbackはbicoidの代用となる 2003年4月10日 Nature 422, 6932 doi: 10.1038/nature01536 ショウジョウバエDrosophilaでは、モルフォゲン Bicoidが濃度依存的にorthodenticle(otd)やhunchback(hb)といった標的遺伝子の転写を活性化し、caudalの翻訳を抑制することによって体の前部パターン形成を調整している。bicoidの相同遺伝子は高等双翅目昆虫以外では単離されておらず、他の昆虫における頭胸部の形成機構はよくわかっていない。短胚帯型昆虫でこの形成過程を明らかにするために、コクヌストモドキTribolium castaneumにおいて進化的に保存されている遺伝子orthodenticle-1(otd-1)とhbの機能を調べた。本論文では、コクヌストモドキのotd-1メッセンジャーRNA は、ショウジョウバエとは異なり母系遺伝子産物として胚に供給されていることを示す。RNA干渉法(RNAi) によってコクヌストモドキotd-1のmRNA量を減少させると胚の頭部が欠失するが、これはotd-1がコクヌストモドキでは前部パターン形成に必要なことを示している。ショウジョウバエと同様に、コクヌストモドキhbは顎部後半と胸部の体節を決定する。otd-1/hb二重RNAi処理を施した胚では頭胸部及び腹部前半が形成されない。この表現型はショウジョウバエにおけるbicoidの強い変異体の表現型と似ている。従って、otd-1とhbは祖先型の前部パターン形成機構の一部を担っていると考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る