Letter 宇宙:地球磁気圏尾部の高温プラズマシート中の低温イオン 2003年4月10日 Nature 422, 6932 doi: 10.1038/nature01502 宇宙におけるほとんどの可視物質は、プラズマとして存在する。このプラズマはどうやって加熱されるか、そして特に、どのように初期の非平衡なプラズマ分布が(マックスウェル−ボルツマン統計により予測される)熱平衡へと緩和するかは、宇宙および実験室内のプラズマに関する研究の基本的な問題である。宇宙プラズマは多くの場合非常に希薄なため、二体衝突は無視することができる。そのため「無衝突」プラズマにおいて、どのように熱的平衡が達成されるかは明らかでない。無衝突プラズマの一例は、地球のプラズマシートであるが、そこでは約5×107Kのイオン温度を示す熱化した高温プラズマが観測されている。本論文では、日食時のイオン分布関数の直接観測に基づき、地球のプラズマシート中の熱化した高温イオンと共存する低温イオンの存在を明らかにする。太陽光によって正に帯電される、人工衛星に搭載されたプラズマセンサーでは、この低温成分は発見され得ないが、地球の影での我々の観測は、低温のイオン密度が高温イオンの密度に匹敵することを示す。この低温イオンの高い密度は、ソースプラズマの半分が、低温のまま熱化されることなく高温で乱流状態のプラズマシートへ侵入するような機構を必要とするため、既存の理論で説明するのは難しい。 Full Text PDF 目次へ戻る